ママチャリ礼賛本!『世界が賞賛した日本の町の秘密』チェスター・リーブス著
一冊通して日本の「ママチャリ」について語った本です。このぼんやりしたタイトルは読者層狭めている気がします。
自転車がブームと言われて久しいですが、そこでいう自転車とは、例えばロードバイクとかマウンテンバイクとかクロスバイクとかミニヴェロとかピストとか、要するにそこそこ高価で趣味性の高い自転車達のことです。
いわゆるママチャリは完全に蚊帳の外なわけですが、本著は外国人でありカルチュラル・ランドスケープ史家である著者の目から見た、ニッポンのママチャリ文化とそれが及ぼす社会的効能についてレポートしています。曰く、
「ママチャリは、日本の伝統的な部屋のスケールを決定させた畳と同様の尺度(モジュール)を、日本のコミュニティにもたらしたのです。」(p41)
なんとはなしに見下され感のあるママチャリに、都市コミュニティや交通政策の側面から光を当てています。
個人的にも、ながく自転車屋で働いていた事もありママチャリには一家言ありますが・・・お洒落バイクに偏る自転車ブームのなかで、“ママチャリを忘れてくれるな”という仕事はなかなかいいんじゃないでしょうか。(駐輪問題とか使い捨て的製品になってる事とか負の側面はあるにしても)
※ちなみに自転車屋としては「ママチャリ」という呼称は使わない。諸説あるがチャリ=泥棒用語。大学で自転車サークルいたときもチャリという言葉は使わないようにするものでした